研究員のひとりごと

にわかな邦ロックファンが自分の思いのたけを吐き出す場所

CDJ19/20に行って悔しかった話

表題の通り。

行かなくて悔しくなった話は山ほど聞くけど、行って悔しくなる話は珍しいだろ。ちょっと俺の話聞いていってくれ。

 2019.12.28 舞台は幕張

先日のCDJ初日に参戦してきた。目当てはもちろんPENGUIN RESEARCHである。

というか正直に言うと本命はペンギンだったが、他にも目当てはいた。主なところで言うとヤバTとサバプロ。

ただまあ、これタイムテーブル見てもらったらわかるけど、3バンドがほぼ丸被り。俺のCDJ昼で終わり。お疲れ。いいライブだった。地元帰って酒飲もう。

 

とはならなかったわけである。なぜならペンギンがすげーいいライブしてくれちゃったから。

ヤバT150分まで見て、サバプロはリハだけ外で聞いて泣く泣くカット。万全の態勢でペンギンを迎え撃ったわけだが、220分ごろから始まったリハで異変が起きる。

 

友「なあ、あれさ……」

 

言いたいことはわかる、でもそんな顔するな。

そう、堀江晶太がおかしい。いや堀江晶太がライブで暴れるのはいつもなんだけど、そうじゃなくて。なんか暴れ方がヤバい。完全におくすりキメたね♪状態である。マジでアルコール入ってる?暴れすぎて曲を途中で終わらせたことに気づかず、スタッフさんに肩を叩かれる始末。しかもその瞬間ベースを投げ捨てて袖へ。

そこそこの回数ペンギンのライブを見てきたが、過去一でヤバい。この時点で初見バイバイすぎてファンとしてはちょっと泣きたい。フェスの意味分かってる?客層広げてね?でも面白いからオッケーです。

 迎えた本番

そんなこんなで230分。本番スタート。

この日のセトリは以下の通り。

 

1.決闘

2.逆襲

3.ゴールドフィラメント

4.敗者復活戦自由形

5.boyhood

 

闘いすぎだろ。

訳すとこんな感じだぞ。

 

1.敗北に甘えるな、闘え

2.今に見てろ、絶対見返す

3.立ち上がれ、歩き出せ

4.まだ終わってねえ、戦え

5.無様に転んでも進むぜ

 

暑苦しいわ。しかもシングル曲決闘だけだからね。だいたいYouTubeに上がってるからって初見殺しすぎるだろ。

と突っ込みたくなるセトリだが、これにはちゃんとした訳が。

珍しく決闘の最中に語りだした生田。

曰く「去年俺らより後の時間に同じステージでやったバンドが、まさにいまこの瞬間一番でかいステージでやってる」「悔しい」。

 

今回ペンギンはMOON STAGE、つまり最も小さいステージが割り振られている。対してそのバンド、King Gnuは去年のASTRO ARENAから一つ飛ばして最大のステージに。もちろんペンギンは昼で、King Gnuはそこのトリだったからそもそもスタートラインが違う。

でも、そりゃ悔しいよ。

だって小さいステージになったんだから。動員数だって悪くない。でかい箱でのライブもやった。ロッキンなんかサウンドオブフォレストだったんだぜ。俺だってCOSMOじゃなかったのが不思議でしょうがなかった。

しかしメンバーがこんなに悔しがるとは思っていなかった。

 

とにかく全員熱い。特に前三人が。

というか堀江。お前はいったん落ち着け。足バタバタするな、初見さんが怖がるだろ。……待ってなんで急に後ろの機材の前で丸まったの、急に落ち着かれたら温度差で風邪ひくから。そしてカメラさんはその変なベース撮らなくていいからボーカル撮って。

 

セトリはほぼノンストップ。

ステージ上の熱気が、いつも以上にフロアに伝わる熱いライブ。自然とこちらも声は大きく、手は高く上がる。

あ、珍しく堀江さん喋るのか。ごめん最高のライブだったから、こっちサイドはテンション上がりすぎて何言ってるのか聞き取れなかったけど「ふざけんな」「ペンギン舐めるな」は分かった。

 

おう、舐めんなよ。こんなに最高のバンド知らないなんて、すごい損だよな。俺らはお前らが最高に暑苦しくて泥臭くて、最高にかっこいいライブができること知ってるよ。

どこまでもついていく。ロッキンやCDJのでかいステージも、武道館も。いつかペンギンが連れて行ってくれるって、俺はそう思ってる。

 

あっという間の30分を終えて、友人と色々話しながら酒を飲んだ。その間も周りをたくさんの人が通り過ぎていく。もちろん中にはKing Gnuのファンもいた。みんな晴れやかな表情で、「ライブ楽しかったんだろうな」と素直に思った。

俺らも十分楽しんだ。しかし「楽しかった」だけじゃ終われない何かが焼き付いたのは確かだ。

 終わってみて思ったこと

音楽を通じてこんなに一生懸命に何かを伝えられるバンドが、あまりに世間に知られていなすぎるのが悔しかった。もちろんどのバンドも、何かを伝えようとして音楽をやっていて、他の誰にも負けない何かを武器に、懸命に作品を作っているんだろうけど、こうやってずっと応援しているバンドが報われなかったのは、自分の事のように悲しかった。

 

星の数ほどあるバンドの中で売れるのは一握り。そのステージに立つまで達しないバンドも多くあるから、お前らは報われている。

そう言う人もいるかもしれない。でも彼らはそんなところを目標にしてないんだ。本気で上を目指してる。今年も出られたね、ありがとう、だけで終わるバンドじゃない。

 

俺は堀江晶太kemuとして活動しているときからのファンで(でもそれは堀江晶太kemuだからペンギンが好きとはイコールではない)そう考えると結構長くファンをやっているわけだ。でもボカロPではない、生身のミュージシャンを通した作り手の苦しみとか努力とか、悔しさとか報われなさとか、そういうものと初めて向き合った時、自分には何もできないけどせめて見届けたいと、そう思った。

 

長々と恥ずかしいことを書いたけど、今日言いたかったのはこれだけ。

 

PENGUIN RESEARCHという素晴らしいバンドがいます。

どうか彼らの行く末を、俺たちと一緒に見届けませんか。